微睡くん、冷やし中華を夢に編む
彼は、季節の狭間に棲む影。
蝉の声が空を焦がす頃、
風鈴の音をまとい、湯気の向こうから現れる。
その指先は、忘れられた手紙の筆跡。
そのまなざしは、氷の上に落ちた月光。
冷やし中華を作るたび、
彼は記憶の襞をそっと撫でる。
錦糸卵は、黄昏にほどけた約束。
きゅうりは、幼き日の水辺の戯れ。
ハムは、遠ざかった声の残響。
そしてタレは、別れを甘く包む夢の蜜。
福来軒が閉じる夜、
微睡くんは最後の器を伏せた。
それはまるで、
星がひとつ、空から静かに落ちるようだった。
翌朝、店の前に残された紙片には、
誰かの筆でこう記されていた。
その文字は、朝露に滲み、
読む者の心にだけ、はっきりと見えた。
そして彼は、
冷やし中華の香りを残して、
季節の向こうへと、そっと微睡んだ。
微睡(まどろみ♆
2025/09/19 19:05:21
> りりさん
ありがとう
りり
2025/09/19 18:21:38
例えが上手く表現されてますね。
微睡(まどろみ♆
2025/09/18 20:42:01
> PiPi。さん
洋がらし?和からし?
PiPi。
2025/09/18 20:10:34
洋がらしでトドメをw
微睡(まどろみ♆
2025/09/18 16:57:39
> ✿なんのはな✿さん
冷やしうどん、蕎麦、そうめん^_^
✿なんのはな✿
2025/09/18 16:02:06
今夏は冷やし中華ばかり食べてましたw