セカンド

秋が深まるころ

小説/詩

秋が深まるころ
レンガ作りの校舎の横の掲示板を見ている君がいた

休講のお知らせ・・・

近づく私を見つけると
頭にきたと怒った顔で口を開く

ねぇ
喫茶店に行こうよ・・・

遅刻だぁ~って
駅から走ってきたのにさ

教室に行ったら誰もいないじゃん
でも休講でよかったかも

レポートまだ書いてないんだ
ちょっと見せてよ

高いよ

そんなこと言わないで
コーヒー代出すからさ

なんて結局俺が出すんだろ

わかる!

赤いレンガを覆っている蔦も
少しずつ黄色に色を変えている

正門を抜けて
足早に歩き始める

風が冷たいね

私の手もね

そう言って僕の手を握った

すれ違う数人の学生が
横目でちらっと私たちを見ながら通り過ぎた

「やっぱり好きなのかな」
立ち止まった私

ねぇ早く
時間がないのに

見上げると
今日の秋空は雲一つなく青い

そして

あなたの姿が
いくつもいくつも浮かんでいる



9月半ばでも暑すぎ・・・
少しは涼しくならないかなって・・・

昔の自分が浮かんできました
















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