セカンド

聴こえていますか

小説/詩

雲の名前を呼んでみた
振り返ることもなく流れていく

秋の澄み切った青空に浮かんだ雲にも
きっと名前があるに違いない

少しやせた雲に
目いっぱい太った雲

あなた方の名前はいったい何なのか

読んだら違っていても
瞬間でも立ち止まってくれてもいいのに

幸せそうに浮かんでいる雲
昼寝でもしているのだろうか

空に向かって
君の名前をつぶやいてみた

振り向いてくれる以前に
目の前に君はいない

もしいたら意識をしすぎて
声が出ないかもしれない

もう一度そっと呟いてみた
雲はやはり無言で目の前を流れていった



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