まどろみ

スーパームーンは見えない

日記

雲に隠れた月の代わりに、
街灯がやけに張り切って光っている。
誰もがスマホを空にかざす夜、
僕だけは画面の通知を見つめていた。

君の既読は、
薄雲の向こうでかすむ星のようだ。
届かない光ほど、
勝手に意味を持たせてしまう。

窓ガラスに映るのは月ではなく、
冷えたカップと僕の顔。
それを飲み干そうとしても、
味がしない。

スーパームーンが見えない夜、
僕は「見えない」ことの中に
やっと、
君の居なさを見つけた気がした。


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