まどろみ

爽やかさん、いらっしゃーい

日記

初冬の金色は、いつからこんなにも胸に沁みる色になったのだろう。
彼女と歩いた放課後の並木道も、今では思い出の中で薄く光っている。

風がふれるたび、彼女の笑い声や、言えなかった言葉がふっと舞い上がる。
あの頃は未来が無限に続くと思っていたのに、いま振り返れば、あの金色の季節ほど儚いものはなかった。

瓶にしまった青春の匂いは、ふたを開けるたび少し痛む。
それでも初冬の光は静かに肩に降りて、「忘れなくていいよ」と囁くようだ。

彼女の横顔も、置き去りにした勇気も。
すべてが時間に色あせながら、今も小さく金色に輝いている。


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