シマエナガについて⑤
*北海道在住のネイチャーフォトグラファー・野鳥観察ガイドのアドバイス*
「公園選びのポイントは『針葉樹』と『水場』です。有名な公園は人も多いですが、シマエナガは意外と人の気配に慣れています。ポイントは、彼らが隠れ家やねぐらにする針葉樹(マツやトウヒなど)と、水を飲む場所が近くにあるエリアを探すこと。公園の入り口付近よりも、少し奥まった木道沿いが狙い目です。特に西岡公園のような水源地がある場所は、鳥たちのオアシスになっています」
「現地ガイドが実践している「シマエナガを見つける」3つの極意」
場所と時間がわかっても、広い公園の中で小さな小鳥を見つけるのは至難の業です。「行けば会える」わけではなく、「探して見つける」姿勢が必要です。ここでは、私が普段フィールドで実践している、運任せにせず能動的にシマエナガを見つけるためのプロのテクニックを伝授します。
「視覚より聴覚!「ジュリリ」「チー」という鳴き声を聞き分ける」
森の中でシマエナガを探す際、目で探そうとしてはいけません。彼らはあまりにも小さく、動きが速いため、目視で見つけるのはプロでも困難です。最初に頼るべきは「耳」です。
シマエナガは移動中、常に「ジュリリ、ジュリリ」という独特の濁った声で鳴き交わしています。また、「チー、チー」という高い声も出します。この「ジュリリ」という声は他の鳥にはない特徴的な響きですので、一度覚えればすぐに判別できるようになります。
公園に着いたら、まずは立ち止まって耳を澄ませてください。遠くから「ジュリリ」という声が近づいてきたら、それがシマエナガの群れです。声のする方向の、木の高いところ(樹冠)を注視しましょう。Youtubeなどで事前に鳴き声を聞いて、耳を慣らしておくことを強くおすすめします。
「「カラ類」の混群を探せ!シジュウカラについていく理由」
冬の森では、異なる種類の鳥たちが集まって一つの群れを作る「混群(こんぐん)」という現象がよく見られます。シマエナガは、シジュウカラ、ハシブトガラ、ゴジュウカラ、コゲラといった「カラ類」と呼ばれる鳥たちと一緒に群れを作ることが非常に多いのです。
シマエナガ単体を探すよりも、個体数が多く、声も大きいシジュウカラの群れを見つける方が簡単です。「ツツピー、ツツピー」というシジュウカラの声や、「ギー」というコゲラが木をつつく音が聞こえたら、その群れの中にシマエナガが混じっている可能性が非常に高いです。
シマエナガは群れの中でも動きが一番速く、群れの後方をちょこまかとついていくことが多いです。他の鳥を見つけたら、すぐにその場を離れず、周囲の枝をくまなくチェックしてみてください。
「好物の「樹液」が出るカエデの木をマークする」
「食」を知ることも重要な探索テクニックです。冬のシマエナガは、木の実や虫の卵なども食べますが、大好物はカエデ類の樹液です。特に「イタヤカエデ」という木の枝先から滲み出る甘い樹液を舐めにやってきます。
気温が上がってくると、枝の傷口から樹液が垂れて「つらら」になることがあります。シマエナガはこの樹液のつららにぶら下がって、アイスキャンディーのように舐める行動を見せることがあります。これは絶好のシャッターチャンスでもあります。
公園内でカエデの木が多いエリアを事前に調べておいたり、樹液が出ていそうな枝を探したりすることで、待ち伏せ型の観察が可能になります。ただ歩き回るだけでなく、「彼らが食事に来そうな場所」で待つのも賢い戦略です。
*フィールドで役立つ「探す手順」チェックリスト*
・[ ] 公園に到着したら、まずは立ち止まって静かに耳を澄ませる。
・[ ] 「ジュリリ」という濁った鳴き声、または「チー」という高い声を探す。
・[ ] シジュウカラやゴジュウカラの群れ(混群)を見つける。
・[ ] 群れの進行方向を予測し、先回りするか、後方の高い枝を双眼鏡でチェックする。
・[ ] イタヤカエデなどの広葉樹の枝先を重点的に見る。
・[ ] 1箇所に留まらず、声が聞こえなくなったら移動して再び耳を澄ませる。