嘘の陰影
第十一章
佑真の部屋へと着いた私はインターホンを鳴らした。…「はい」と真面目な声に私は驚きつつ、…「優美だけど、お風呂入って来た」…「おぉ、優美か…何か届いたんかと思ったぜ、今出るわ」と彼はドアを開けてくれた。…「入れ入れ」と私を包み込む様に彼は私を大事そうに扱ってくれた。…そう言えば佑真はいつも私を包み込む様にしていてくれたなぁ…としみじみと昔を思い出している私が居た。…「佑真もお風呂入った?」…「おー俺は烏の行水みてぇなもんだけどな…ははは」…「昔っからお風呂早かったよね…ふふふ」と私も笑ってしまった。センター分けの髪型から全ての髪が目に掛かってしまいそうな程の髪型に、…「佑真、髪意外と長いんだね」…「おう、長くねぇとセンター分け出来ねぇからな」とほんの少し笑っていた。…「佑真…ぎゅーして?」と唐突にお願いしてみた私に、…「おいで、優美」と私を誘う。胡坐をかいていた彼は…「膝に乗って」と彼は言った。…「うん」私は彼の言う通りに胡坐の膝へと乗り、彼の顔を見つめていると彼はそっと頬に触れ、キスをし優しく抱き締めてくれた。抱き締めながら、彼の顔は見えなかったが、…「やべーな、すげー緊張してるわ」と私を抱き締める腕は震えを纏っていた。…「ほんと…緊張するね」と私もまた彼を抱き締め、顔を見たくなった私は少しだけ離れ、彼の顔を覗き込んだ。彼は緊張すると少しだけ眉が下がる。そんな顔になっていた彼が愛おしくて、…「徐々に慣れてこ」と彼の頬を両手で包んだ。…「佑真…好きだよ」そう伝えた後、彼にキスをした…「俺も優美が好きだ」そう伝えてくれた。お互いの顔を見つめ合いまたキスをした。彼の膝に乗った儘、…「優美、飯食った?」と聞かれ、…「ううん、まだ…でもお腹空いてないや」と答えた。…「俺も腹減ってねーんだよな」と彼は言っていた。…「今日は優美と恋人になれたって事で腹減ってねーのかも…浮かれてんのかな…はは」と彼は続けて言っていた。…「あ、それ…私も同じ感覚かも」と似た様な考えにお互い笑い合いつつ、抱き締め合っていた様に思う。…
「優美すげー良い匂い…」と彼は呟きつつ私を抱き締めてくれていた。…「煙草でも吸うか…」そう言ってくれた彼に私は何だかホッとしてしまい、…「うん」と答えた。…「優美…このままで良いか?」そう尋ねられた私は、…「佑真の髪焦がしちゃうかもよ…ふふ」と冗談を言うと…「そりゃ、やべーな…ははは」と向き合って座る事にした。二人の煙が混ざり合う様に溶け込むかの様に居心地の良い時間だ。…「なんか…優美といると居心地が良いんだよな…」…「そう?私も同じ気持ち」とお互いの気持ちを一つずつ確認していく。…「あ、そだ佑真、今日ね月が綺麗なの、一緒に見よ」彼を誘うと、…「良いね、ベランダ行くか」そんな会話を続けながら二人でベランダへと向かった。
.:*みん.:*
2026/01/25 19:44:49
お風呂の時間まで知ってるなんて ほんと兄弟のように育ったのですね
気を使わないけれど 距離が縮まって緊張する二人
初々しくていいなあって思います
紫月さんの書き方 読みやすいし情景が浮かんできます
いつもありがとうございます
無理せず 紫月さんのペースで進めてくださいね