わすれられた窓に寄せて

日記



ささやかな風が そよぎながら
あかるい午後の しづけさをはこんでくる
ぼくの指先は まだ見ぬ誰かのために
淡い追憶の 図面をひいている
あの山なみの 青いかげに
小さな家を ひとつ建てよう
窓には 夕映えの雲をうつし
庭には 名もなき草をそよがせよう
けれど 幸福はいつも ゆふぐれのやうに
ぼくのてのひらから こぼれてゆく
歌は とだえがちな調べとなって
あきらめた夢が 星になるまえに
さよならを 一滴の露に託して
ぼくは 透きとおる眠りのなかへ


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