裏切り者のブルース

日記

錆びたナイフが 月明かりを反射した。
俺は ソファに深く沈み込み
グラスの中で 氷がカチリと音を立てるのを 聞いていた。
電話は鳴らない。
約束なんて言葉は 安いウィスキーよりも 早く蒸発した。
テーブルの上には 灰皿と
奴が置いていった 鍵束。
街の騒音だけが 遠くで生きていた。
信頼。
使い古された銃弾のように
もう 心には届かない。
俺は立ち上がり コートを着る。
鏡の中の男は 少しだけ老けて見えた。
裏切りの夜は まだ 始まったばかりだ。


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