眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

凍る獅子 スノームーンとレグルス

日記

バーボンのグラスに残った氷が、
二月の夜の深さを物語っている。
街の騒音は、白く降り積もった雪に吸い込まれた。
静寂、それだけがここにある。
窓の外にはスノームーン。
街を支配する、白く冷酷な満月。
誰の情にも染まらぬ、純白の裏切り者。
そのすぐそばで、
レグルスが小さく青白くまたたいている。
獅子の心臓、孤独な王の星。
スノームーンの光に飲み込まれそうで、
決して消えない、ちっぽけなプライド。
「いい夜だ」
誰に言うでもなく呟き、
俺は最後の一口を飲み干した。
向こう側(アウト)へ行くには、
まだ少しだけ、この孤独が足りない。
冷たい月と、青い星。
今夜、この街のルールを決めるのは、
俺じゃない。
俺たちだ。

凍てつく夜の帳が、街の汚れを覆い隠す。
国立天文台が告げる今夜の主役は、冷徹な光を放つスノームーンだ。
中空で牙を剥くのは、しし座の心臓、レグルス
「王の星」と、孤独な「雪月」。
両者の距離が近づくとき、夜は静寂という名の弾丸を装填する。
バーボンの琥珀色が、窓の外の銀世界と衝突した。
レグルスの青白い輝きは、都会のネオンよりも鋭く、
スノームーンの白い円環は、誰の言い訳も聞き入れないほどに無垢だ。
奴らは天高くで、この街の硝煙を鼻で笑っている。
俺はグラスに残った氷を回し、わずかな熱を飲み干した。
夜明けまで、あと数時間。
この冷たい邂逅を、誰にも邪魔させるつもりはない。

2月2日 月深夜から3日 火の未明


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