終着駅Ⅱ
プラットホームの端、レールは不親切に途切れている。
そこから先は、地図にも載らないただの闇だ。
「ここが君の望んだ場所か」
俺の問いに、女は黙って冷えた風を吸い込んだ。
重いトランクの中身は、二人で分かち合えなかった過去の残骸。
改札を出れば赤の他人。
錆びた転轍機(ポイント)のように、俺たちの心は二度と交わらない。
ライターの火が、一瞬だけ女の横顔を硬く照らした。
コートの襟を立て、彼女は一度もこちらを見ようとはしない。
吐き出した煙が、凍てつく空気に溶けて境界線を作る。
「追うなと言ったのは、あんたの方よ」
掠れた声が、夜の静寂に刺さる。
さよならを言うための言葉を、俺はポケットの底で握りつぶした。
終電の消えたホームに、孤独な足音だけがリズムを刻み始める。
コートの襟を立て、彼女は一度もこちらを見ようとはしない。
吐き出した煙が、凍てつく空気に溶けて境界線を作る。
「追うなと言ったのは、あんたの方よ」
掠れた声が、夜の静寂に刺さる。
さよならを言うための言葉を、俺はポケットの底で握りつぶした。
終電の消えたホームに、孤独な足音だけがリズムを刻み始める。
振り返れば、彼女の影は雪の向こうへ消えていた。
行き止まりの線路に、深々と白が降り積もる。
かつて熱を帯びて走った鉄路も、今はただの冷たい骸だ。
俺は最後の一本を捨て、踵を返して夜へと歩き出す。
背後で駅舎の灯が落ち、世界は完全な沈黙に支配された。
明日の朝、ここを訪れる者は誰も知らない。
一人の男が、ここで何かを永遠に置いてきたことを
行き止まりの線路に、深々と白が降り積もる。
かつて熱を帯びて走った鉄路も、今はただの冷たい骸だ。
俺は最後の一本を捨て、踵を返して夜へと歩き出す。
背後で駅舎の灯が落ち、世界は完全な沈黙に支配された。
明日の朝、ここを訪れる者は誰も知らない。
一人の男が、ここで何かを永遠に置いてきたことを