眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

終着駅Ⅱ

日記

プラットホームの端、レールは不親切に途切れている。
そこから先は、地図にも載らないただの闇だ。
「ここが君の望んだ場所か」
俺の問いに、女は黙って冷えた風を吸い込んだ。
重いトランクの中身は、二人で分かち合えなかった過去の残骸。
改札を出れば赤の他人。
錆びた転轍機(ポイント)のように、俺たちの心は二度と交わらない。


ライターの火が、一瞬だけ女の横顔を硬く照らした。
コートの襟を立て、彼女は一度もこちらを見ようとはしない。
吐き出した煙が、凍てつく空気に溶けて境界線を作る。
「追うなと言ったのは、あんたの方よ」
掠れた声が、夜の静寂に刺さる。
さよならを言うための言葉を、俺はポケットの底で握りつぶした。
終電の消えたホームに、孤独な足音だけがリズムを刻み始める。

振り返れば、彼女の影は雪の向こうへ消えていた。
行き止まりの線路に、深々と白が降り積もる。
かつて熱を帯びて走った鉄路も、今はただの冷たい骸だ。
俺は最後の一本を捨て、踵を返して夜へと歩き出す。
背後で駅舎の灯が落ち、世界は完全な沈黙に支配された。
明日の朝、ここを訪れる者は誰も知らない。
一人の男が、ここで何かを永遠に置いてきたことを



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