鋼鉄と蒼白の棺
デッキの鉄柵(フェンス)を凍らせて
世界はすべて、白と黒に色を変えた
エンジンは唸り、海を切り裂くが
どこへ行こうが、ここは冷たい牢獄だ
世界はすべて、白と黒に色を変えた
エンジンは唸り、海を切り裂くが
どこへ行こうが、ここは冷たい牢獄だ
誰かが密かに持ち込んだ、安い煙草の煙と
バーボンの中の、孤独な氷が溶ける音
「愛してる」なんて言葉は、この海風に吹かれれば
すぐに乾いて、粉々に砕け散る
バーボンの中の、孤独な氷が溶ける音
「愛してる」なんて言葉は、この海風に吹かれれば
すぐに乾いて、粉々に砕け散る
窓の外は、死神の吐息のように白い
ラウンジのピアノは、最後のワルツを奏でる
昨日までの恋人が、誰の腕で眠っていようと
俺の知ったことじゃない
ラウンジのピアノは、最後のワルツを奏でる
昨日までの恋人が、誰の腕で眠っていようと
俺の知ったことじゃない
残ったのは、冷え切った感覚を失うほど冷え切った指先
このどうしようもない、退屈な夜だけ
さあ、もう一杯。
この雪のように、すべてが白くなるまで
このどうしようもない、退屈な夜だけ
さあ、もう一杯。
この雪のように、すべてが白くなるまで
記憶も、痛みも、拭いきれない硝煙の匂いでさえも
俺はただ、白濁した視界の向こう側を眺めている。