灰の帳尻
炉の唸りは、すべてを等しく飲み込んでいく。
かつて喉元に刃を突きつけ合った仇敵(かたき)も、
背中を預け、冷えたコーヒーを分かち合った友も、
今は同じ、無言の沈黙だ。
かつて喉元に刃を突きつけ合った仇敵(かたき)も、
背中を預け、冷えたコーヒーを分かち合った友も、
今は同じ、無言の沈黙だ。
経済という名の戦場、鉄火場で弾き出した。打算の数字
そのために捨てた家族の約束。
守れなかった寝顔と、奪い取った椅子の重み。
結局、人生という帳簿の最後に残るのは、
誰が正しかったかではなく、誰が最後まで立っていたかという事実だけ。
そのために捨てた家族の約束。
守れなかった寝顔と、奪い取った椅子の重み。
結局、人生という帳簿の最後に残るのは、
誰が正しかったかではなく、誰が最後まで立っていたかという事実だけ。
骨を拾えば、そこには愛も憎しみも付着していない。
真っ白で、無機質な、ただの残骸。
俺たちは、この軽すぎる欠片を拾うために、
あんなにも重い「責任」や「競争」という鎧を纏っていたのか。
真っ白で、無機質な、ただの残骸。
俺たちは、この軽すぎる欠片を拾うために、
あんなにも重い「責任」や「競争」という鎧を纏っていたのか。
空に昇る煙が、俺の過去を少しずつ削っていく。
敵も、味方も、愛した者も、
空の青に溶けてしまえば、もはや見分けはつかない。
敵も、味方も、愛した者も、
空の青に溶けてしまえば、もはや見分けはつかない。
「……また一人、俺を識る奴が消えたか」
俺は空になったポケットの手を握りしめる。
次に焼かれるのが俺の番だとしても、
この帳尻だけは、きっちりと合わせていくつもりだ
あいつらが待つ、あの煙の向こう側で_
次に焼かれるのが俺の番だとしても、
この帳尻だけは、きっちりと合わせていくつもりだ
あいつらが待つ、あの煙の向こう側で_