眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

錆びた20年

人生

20年、氷はとっくに溶けきり
グラスの底には澱だけが残った
俺を忘れるには十分な時間だろう
だが、記憶というやつは
湿気ったマッチのように
肝心なときに火がつかないものだ
あの日、俺が捨てたのは
古ぼけたコートと、お前の名前
そして自分という名のガラクタだった
どこへ行ったか、だと?
風に訊けと言いたいところだが
風もまた、俺を避けて通り過ぎる
煙草の煙が、かつての愛のように
虚空に輪を描いては消えていく
生きているのか、死んでいるのか
そんな野暮な問いに
答えるつもりはない
ただ、この封筒の消印だけが
俺がどこかの街で
まだ不器用に呼吸をしている
唯一の証拠だ
追伸
バーボンを一杯、注文してくれ
俺のツケにしておいていい
もっとも、その店がまだあればの話だが


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