眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

都会の夜の雨

日記

酒場の窓は、青い夜の顎(あぎと)
泥にまみれた雨が、しんしんと降つてゐる。
僕のトレンチコートは、昨日よりまた少し
孤独な匂いを濃くしたやうだ。
グラスの氷が奏でる、安っぽいチャイム、
誰を待つのでもない、ただ座ってゐる。
ネオンのサインは、壊れたフィルムのやうに
君の思い出を点滅させては、消す。
愛だの、優しさだの、そんなものは
さつさと裏路地の猫にでも食わせてしまえ。
僕の魂は、乾いたマッチ箱、
いつ火をつけられてもいいやうに。
……風が吹いた。
埃っぽい、都会の風が、
僕の黒帽子を、少しだけ傾げた。
汚れつちまつた、都会の片隅で
それでも、まだ少し、冷えた煙草の煙に
僕は呼吸を続けてゐる。
さあ、飲み干して、また歩き出さうか。
この、底なしの、夜の街を_


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