緑の沈黙

日記

この森に、会話は似合はない。
シダの葉が滴をこぼす音さえ、
ここでは重すぎる罪の告白のように響く_
私は帽子を直し、
湿った土の香りを深く吸い込む。
都会の排気ガスに汚れた肺を、
この冷徹な緑が、ゆっくりと、執拗に洗っていく。
「邪魔をする」
誰に宛てるでもない挨拶が、
苔むした岩に吸い込まれて消える。
返事がないのは、この場所が私を
拒絶も歓迎もしていない証拠

懐の銀時計を取り出し、時を刻む。
過去という名の弾丸は、
すでに私の胸を貫通して、
今はもう、どこにも痛みは残っていない_
バーボンなどここにはない
あるのは、ただ、
飲み干すにはあまりに巨大な「静寂」だけだ
木漏れ日が、銃口から漏れる光のように、
私の足元を鋭く射抜く。
さあ、そろそろ行くとしよう_
影を連れて、出口のない物語の続きへと_


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