夜のとばり、あるいは青い煙
よるのとばりがおりるとき
街はもう、誰のものでもない。
街はもう、誰のものでもない。
ポケットに手を突っ込み
路地裏の湿った風を吸い込む。
ネオンの残像が、
俺のコートの襟を青く染めた。
路地裏の湿った風を吸い込む。
ネオンの残像が、
俺のコートの襟を青く染めた。
バーボンのグラスに沈む氷の音は
かつて愛した女の吐息に似ている。
誰もいない。
いや、俺以外、誰もいない。
かつて愛した女の吐息に似ている。
誰もいない。
いや、俺以外、誰もいない。
時計は、答えを急がない。
影がまたひとつ、暗闇に溶けた。
影がまたひとつ、暗闇に溶けた。
真実なんて、ただの言葉の徒花(あだばな)さ。
欲しいのは、
煙草の煙と、
夜明けまでの、ささやかな沈黙だけ。
欲しいのは、
煙草の煙と、
夜明けまでの、ささやかな沈黙だけ。
俺は、また煙草に火をつける。
さあ、仕事の時間だ。
さあ、仕事の時間だ。