眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

夕暮れの約束

日記

空が茜色に染まり、街の影が長く伸びる時間でございます。
私は約束の場所、川沿いの古い茶房で、一人静かに座っておりました。
運ばれてきたのは、宝石のように透き通った「琥珀糖」。
外側は薄氷のように脆く、内側は柔らかな光を閉じ込めた雫。
それは、かつて交わした、あまりにも純粋で壊れやすい約束の形をしております。
「もうすぐ、日が沈みますね」
運んできた女性の声が、遠くの潮騒のように響きました。
私はその一粒を、指先で静かに摘み上げます。
逆光にかざせば、琥珀色は夕陽を吸い込み、燃えるような輝きを放ちました。
口に含んだ瞬間の、かすかな破砕音。
結晶が解け、甘みが広がるたびに、あの日見た彼女の笑顔が淡く消えてまいります。
結局、私の待ち人は現れませんでした。
それを責める心も、今の私には残っておりません。
ただ、この一粒が喉を通るまでの静寂が、私に与えられた唯一の救いでございました。
影が完全に街を飲み込む前に、私は席を立ちます。
指先に残ったわずかな砂糖の感触だけが、過ぎ去った時間の証拠でございました


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