眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

硝子のライター

日記

放課後の校舎裏は、いつも湿った土と
誰かが隠れて吸った安い煙草の匂いがした。
俺たちは、使い捨てのライターのように
火を灯す場所を探しては、空回りしていた。
「遠くへ行こう」
隣で彼女が言った言葉は、
排気ガスに混じって消えた。
約束なんて、撃ち尽くした後の空薬莢(からやっきょう)ほどにも
価値がないことを、俺たちはまだ知らなかった。
ボロボロの単車で切り裂いた夜風は
ナイフのように冷たく、鋭い。
バックミラーに映る街の灯りは、
涙で滲んで、ただの光の屑になった。
あれから、どれだけの月日が流れたか。
酒場で見かける若者たちの、無防備な背中を見るたび、
俺は飲みかけのバーボンを回す。
青春とは、二度と戻らない場所への片道切符だ。
ポケットには今も、
あの頃火がつかなかった
錆びた硝子のライターが、眠っている。


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