眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

硝子の雨と残り花

日記

トレンチコートの襟を立てて
煙草に火を点ける
今夜の風は、死人の吐息より冷たい
川面に浮かぶのは
白から薄桃色へと色褪せた
花びらの遺体だ
「綺麗だ」なんて言葉は
とうにどこかへ置き忘れてきた
ただ、潔く散るその形(なり)に
少しだけ、俺の過去を重ねるだけさ
満開の嘘に酔うやつらは
もうここにはいない
騒がしかった祭りも終わり
夜は、俺とこの残り花だけのものだ
ラスト・シーンにふさわしい
静寂が降りてくる
さよなら、もう戻らない春よ
俺のトレンチに残った花びらを
雨が、ゆっくりと洗い流していく
誰も知らない
ただ、死んでいっただけの
桜の夜だ_


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