眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

名もなき防風林

人生

湿った夜風が 誰かの軒先を叩こうとする
俺はただ その風の通り道に背中を預け
煙草の火も点けず 闇の一部になって立っている
「おやすみ」
その一言が 家々の窓から零れ落ちて
温かなシーツの中に 静かに沈んでいく
その安らかな寝息を 一秒でも長く守るために
俺の掌は 冷たい鉄柵を握りしめている
助けを呼ぶ声は もう聞こえない
あいつらが笑って 明日を語れるのなら
俺の存在なんて 昨日の新聞の隅のように
誰の目にも留まらなくていい
「ありがとう」なんて 重すぎる対価だ
ただ 泥だらけの靴底を静かに運び
誰かの歩く道から 鋭い石ころを一つ退ける
それだけで この胸の渇きは少しだけ癒える
夜が明ける頃 俺は影のように消えていく
何も残さず 誰の記憶にも触れず
ただ 世界がいつも通りに回り始めるのを
遠い坂の上から 見送るだけだ_


#日記広場:人生