開かれた扉
街の喧騒を遠くに聞く、古びた事務所。
入り口のドアに鍵が掛かることはない。
「来る者は拒まず」
それが、この場所の静かな掟だからだ。
入り口のドアに鍵が掛かることはない。
「来る者は拒まず」
それが、この場所の静かな掟だからだ。
琥珀色の液体がグラスの中で揺れ、
使い古された椅子が、主を待っている。
迷い込んだ者、
行き場を失った真実、
あるいは、語られることのない孤独。
使い古された椅子が、主を待っている。
迷い込んだ者、
行き場を失った真実、
あるいは、語られることのない孤独。
この部屋を訪れる者は、
胸の奥に溜まった澱を吐き出し、
対価として、明日へと続くわずかな希望を置いていく。
胸の奥に溜まった澱を吐き出し、
対価として、明日へと続くわずかな希望を置いていく。
去る者を追うことはしない。
背後でドアが閉まる音と共に、
影は夜の闇へと溶けていく。
背後でドアが閉まる音と共に、
影は夜の闇へと溶けていく。
また一つ、階段を上る足音が近づく。
静寂を破るノックの響きが、
新たな物語の幕開けを告げている。
静寂を破るノックの響きが、
新たな物語の幕開けを告げている。