眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

垂直の不条理

日記

世界には二種類の石しかない。
誰かの頭を砕く石か、誰かの沈黙を支える石かだ。
目の前の壁は、後者だった。
垂直に切り立った巨大な沈黙。
人間どもはそこに額を押し当て、
「不在」という名の神に向かって熱烈に語りかけている。
だが、返ってくるのはいつも、自分自身の吐息の熱だけだ。
俺は最後の一本の煙草に火をつけた。
紫煙が古い石の隙間に吸い込まれていく。
哲学者はこれを「実存」と呼ぶかもしれないが、
俺に言わせれば、ただの「未解決事件」だ。
意味なんてものは、後から誰かがつけた注釈に過ぎない。
石はただ、そこにある。
重力に従い、時間に耐え、人間の悲劇を無機質に反射する。
それがこの世界の唯一の誠実さだ。
祈る必要はない。
ただ、この圧倒的な「壁」という現実を認めればいい。
俺たちは皆、届かない声を投げ続ける囚人であり、
同時に、その声を無視し続ける看守でもある。
煙草を靴底で揉み消す。
石はまだそこにある。
俺が去った後も、この不条理だけは永遠に垂直のままだ


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