灰色の雨、午前四時

人生

トレンチコートの襟を立てても、
吹き抜ける夜風は防げない。
使い古されたライターの火が、
一瞬だけ過去を照らして消えた。
影を背負い、石畳を歩く。
誰かを追いかけるためではなく、
ただ、重すぎる記憶を置き去りにするために。
かつての誓いは、安酒の酔いと共に溶け、
真実は、遠くで鳴り響くサイレンの音に掻き消される。
すべての足跡は、午前四時の路地裏に沈む。
追う者もいなければ、
待つ者もいない、
忘却の彼方、最果ての街へ。
街灯が一つ、瞬いてその役目を終えた。
終わりなき夜の向こう側へ。
雨音だけが、静寂を埋めていく_


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