孤影2

日記

午前二時のアスファルトは、
嘘をつくには冷えすぎている。
街灯が投げ捨てた乏しい光が、
俺の影を、路上の水溜まりに沈めた。
火をつけたばかりの煙草は、
苦い現実の味がする。
喉を焼く煙を吐き出し、
消えかけたネオンの瞬きを数える。
救いなど最初から求めていない。
背負った過去は、脱ぎ捨てられない安物のコート。
誰とも分かち合えない痛みを、
ただ、一振りのバーボンで飲み干すだけだ。
夜の底で、俺は独りになる。
それこそが、この街を歩き続けるための、
唯一の、そして不変のドレスコード。
背後を振り返る必要はない。
そこに伸びる細長い影だけが、
俺という男の、最後の証人なのだから


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