眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

暁の波止場2

日記

錆びついたクレーンが 天を指して凍りつき
海鳴りだけが 誰かの弔いのように響く
消え残る街灯は アルコールの切れた網膜に痛く
俺はただ 最後の一本に火をつけた
昨日の友は 冷たいコンクリートの底で眠り
明日の敵は 水平線の向こうで牙を研ぐ
トレンチコートの襟を立てたところで
魂の隙間を抜ける 湿った風は防げやしない
灰色の空が ゆっくりと重たい瞼を開ける
水平線の傷口から 鈍色の光が溢れ出し
波止場を濡らすのは 朝露か、それとも誰かの涙か
船出の汽笛が 沈黙を切り裂いていく
未練を積み込んだ貨物船が 霧の中へと消えてゆく
俺は吸い殻を靴底で踏み消し
光と影が交差する 戦場(まち)へと背を向けた
あばよ、昨日。
暁の光は 何ひとつ許しちゃくれない。


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