眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

ニコ店硝子のメニューと燻る煙

日記

場違いなほど白いクロスの角
タバコの灰が、音もなく落ちた。
ここは「沈黙」を前菜に出す店。
客は皆、自分の影をクロークに預け
名前を忘れたフリをして、椅子を引く。
隣の店は「昨日」を煮込むキッチン。
焦げ付いた後悔と、少々のスパイス。
シェフは一度も顔を見せないが
出されるスープは、驚くほど冷たくて苦い。
それを飲み干すのが、この街の流儀だ。
角を曲がれば「嘘」を焼くステーキハウス。
レアで頼めば、真実が血のように滴り
ウェルダンなら、夢はただの炭になる。
ナイフを入れるたび、ギチリと鳴る音が
誰かの古い傷跡を、優しくなぞった。
どいつもこいつも、腹を満たしたいんじゃない。
ただ、消えない空腹を確認しに来るだけさ。
俺はバーボンを一口、喉に流し込む。
氷がグラスに当たる音だけが
この不条理な夜の、唯一の正解だった。


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