眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

日記

街を洗う雨はあがったが
湿った風はまだ、
誰かの言い訳のようにまとわりつく。
火をつけたばかりの煙草を
指に挟んだまま
俺は角を曲がる。
コートの襟を立てるのは
寒さを凌ぐためじゃない。
そこに隠した、
戻ることのない過去を
風にさらわれないためだ。
「答えなら、風に吹かれている」
昔の男がそう歌ったらしいが、
吹き抜けるのは、
砂混じりの孤独と、
安物のバーボンの匂いだけ。
問いかける相手はもういない。
足元を転がる空き缶が、
乾いた音を立てて闇に消える。
俺は煙を吐き出し、
足早に夜へと溶け込んでいく。
風が背中を叩く。
それは、行けという合図か。
それとも、
すべてを忘れろという、拒絶か。


#日記広場:日記