錆びたルージュ
やめなよ。
その綺麗な唇から、腐った果実のような言葉をこぼすのは。
その綺麗な唇から、腐った果実のような言葉をこぼすのは。
運命に裏切られた?
男が、時代が、世界が、お前を理解しないって?
聞き飽きたよ。その安っぽいシャンソンの歌詞は。
男が、時代が、世界が、お前を理解しないって?
聞き飽きたよ。その安っぽいシャンソンの歌詞は。
いいかい。
お前が今、喉の奥から絞り出しているのは「言葉」じゃない。
自分で自分にかけた、逃げ道の呪文だ。
お前が今、喉の奥から絞り出しているのは「言葉」じゃない。
自分で自分にかけた、逃げ道の呪文だ。
鏡をよく見てみな。
マスカラが滲んでいるのは、悲しみのせいじゃない。
自分の足で立つ覚悟が、ふやけて溶け出しただけさ。
マスカラが滲んでいるのは、悲しみのせいじゃない。
自分の足で立つ覚悟が、ふやけて溶け出しただけさ。
この街の夜風は、泣き言を運ぶほど暇じゃない。
お前の不幸を肴に酒を飲むほど、俺は落ちぶれちゃいないんだ。
お前の不幸を肴に酒を飲むほど、俺は落ちぶれちゃいないんだ。
愚痴を飲み込め。
胃の腑が焼けるほど熱いまま、そいつを燃料に変えな。
痛みを知らない女の微笑みなんて、硝子細工の偽物だ。
胃の腑が焼けるほど熱いまま、そいつを燃料に変えな。
痛みを知らない女の微笑みなんて、硝子細工の偽物だ。
立ちな。
ヒールを鳴らして、夜の闇に背筋を叩きつけるんだ。
独りで歩き出す女の背中だけが、
この泥濘(ぬかるみ)のような世界で、唯一の宝石になる。
ヒールを鳴らして、夜の闇に背筋を叩きつけるんだ。
独りで歩き出す女の背中だけが、
この泥濘(ぬかるみ)のような世界で、唯一の宝石になる。
さあ、そのルージュを引き直しな。
次は、戦い抜いた後の「不敵な笑い」を見せてくれ。
次は、戦い抜いた後の「不敵な笑い」を見せてくれ。