眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

心の旅路

その他

また、逃げた。
夜明けの、鉛色の空を背負って、
ぼくは無目的の切符をポケットに突っ込む。
「どこへ行くのか」なんて、聞かないでほしい。
誰もいない場所、なんて、
この世のどこを探したってないのだから。
ただ、いまいる場所が、ひどく息苦しいだけ。
停車場のベンチで、
安っぽい煙草の煙を吐き出しながら、
ぼくはまた、自分の醜い過去を愛撫する。
あぁ、恥ずかしい。
あの時の言葉、あの時の顔、あの時の、甘ったれた涙。
全部、ぼくの宝物で、
全部、ぼくを殺す毒のようだ。
この旅は、帰る場所を探す旅ではない。
そう、
ただ、旅をしている「フリ」をして、
消えてしまいたいだけの、
道化の散歩だ。
車窓に映る、やつれた男。
ああ、あいつは、なんてひどい顔をしているんだ。
でも、不思議と憎めない。
不器用で、卑怯で、それでいて幸福を、
死ぬほど怖がっている、ひねくれ者。
「生きていていいよ」なんて、誰も言わない。
だから、ぼくが言おう。
「生きていて、すまないね」
列車は、さらに暗いトンネルへ突っ込んでいく。
光なんて、いらない。
ただ、このまま、
心地よい沈黙に、埋もれていたいだけなのだ。


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