灰の独白
「正義は勝つ」?
笑わせるな。
この街で生き残ったのは、正義でも悪でもない。
ただ、運が良かったか、あるいは誰よりも残酷になれた奴だけだ。
笑わせるな。
この街で生き残ったのは、正義でも悪でもない。
ただ、運が良かったか、あるいは誰よりも残酷になれた奴だけだ。
格言なんてものは、死にゆく者の耳を塞ぐ綿菓子か、
生き残った卑怯者が自分を納得させるための、安い麻酔薬に過ぎない。
生き残った卑怯者が自分を納得させるための、安い麻酔薬に過ぎない。
「人は一人では生きられない」
ああ、その通りだ。
誰かを踏み台にし、誰かを欺き、誰かの屍を越えていかなければ、
この泥濘(ぬかるみ)からは抜け出せない。
だからこそ、俺は独りでいい。
誰の温もりも、誰の期待も、俺の引き金を鈍らせる不純物だ。
ああ、その通りだ。
誰かを踏み台にし、誰かを欺き、誰かの屍を越えていかなければ、
この泥濘(ぬかるみ)からは抜け出せない。
だからこそ、俺は独りでいい。
誰の温もりも、誰の期待も、俺の引き金を鈍らせる不純物だ。
「愛している」
その言葉を口にする勇気も、信じる愚かさも、
とっくの昔に、路地裏のゴミ捨て場に置いてきた。
今の俺にあるのは、
明日の朝飯にありつけるかという生存本能と、
せめて自分の墓標くらいは、自分の手で刻みたいという意地だけだ。
その言葉を口にする勇気も、信じる愚かさも、
とっくの昔に、路地裏のゴミ捨て場に置いてきた。
今の俺にあるのは、
明日の朝飯にありつけるかという生存本能と、
せめて自分の墓標くらいは、自分の手で刻みたいという意地だけだ。
綺麗事は、もうたくさんだ。
世界は残酷で、不条理で、救いようがない。
だが、その絶望の底にこそ、
嘘ひとつ混じらない「本当の闇」がある。
世界は残酷で、不条理で、救いようがない。
だが、その絶望の底にこそ、
嘘ひとつ混じらない「本当の闇」がある。
そこには、救いも、格言も、神もいない。
ただ、俺が俺として、最期まで立っていられる場所があるだけだ。
ただ、俺が俺として、最期まで立っていられる場所があるだけだ。
……ふん、話しすぎたな。
安物の酒と孤独は、男を饒舌にする。
安物の酒と孤独は、男を饒舌にする。