眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

灰色の夜明け

日記

水平線の端が 濁った白に染まり始める
夜という名の 唯一の味方が
俺を見捨てて 逃げ出していく時間だ
結局 奇跡なんてものは
この波止場には 流れ着かなかった
期待していなかったと言えば 嘘になるが
期待しなくて正解だったと 胸を張る
ポケットの奥で 握りしめていた拳を解く
指先には 過去の傷の疼きと
冷え切った潮風の 記憶だけが残った
「また生き延びちまったな」
真っ当な奴らは そろそろ目を覚まし
希望という名の 眩しすぎる毒を浴びる準備をするだろう
俺はそれとは 真逆に
瞼の裏の暗闇に 逃げ込む準備を始める
太陽が昇れば 影は足元に縮こまる
俺の捻くれた生き様も
人混みの中では ただの「不器用な男」に成り下がる
それが 癪に障って仕方がない
最後の一本の煙草を 根元まで吸い込み
紫煙を 朝靄の中へ 吐き出した
それは 俺が夜に残せる 唯一の足跡
「あばよ、静寂」
重い足取りで 波止場を背にする
背中に浴びる朝日は 温かくもなんともない
ただ 隠していた痣を 暴き立てるようで
俺は襟を立て 少しだけ 足早に歩き出した_


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