銀の弾丸とコンクリート
街灯がアスファルトに、湿った光の輪を落としている。
この街の月は、余計なものまで照らし出しすぎるのが欠点だ。
路地裏のゴミ溜めも、俺の飲み残した安い後悔も。
この街の月は、余計なものまで照らし出しすぎるのが欠点だ。
路地裏のゴミ溜めも、俺の飲み残した安い後悔も。
角を曲がれば、見慣れたバーの看板が、
不機嫌なダイオードを震わせて瞬いている。
追っ手はいない。だが、静寂が一番厄介な追跡者だ。
耳の奥で、さっきの流星の残響が鳴っている気がした。
不機嫌なダイオードを震わせて瞬いている。
追っ手はいない。だが、静寂が一番厄介な追跡者だ。
耳の奥で、さっきの流星の残響が鳴っている気がした。
「火を貸してくれ」
闇の切れ目から声がした。
使い古されたコートを羽織った、名もなき影。
俺は無言でライターを差し出す。
ジッポーの蓋が跳ねる音だけが、夜の静寂(しじま)を肯定した。
使い古されたコートを羽織った、名もなき影。
俺は無言でライターを差し出す。
ジッポーの蓋が跳ねる音だけが、夜の静寂(しじま)を肯定した。
「今夜は月が綺麗だな」
影が煙を吐き出しながら、皮肉げに笑う。
「ああ。だが、月ってのは太陽の光を借りて虚勢を張ってるだけの、冷たい石っころさ」
影が煙を吐き出しながら、皮肉げに笑う。
「ああ。だが、月ってのは太陽の光を借りて虚勢を張ってるだけの、冷たい石っころさ」
俺はコートの襟を立て、月明かりから逃げるように歩き出す。
影は追ってこない。
この街角じゃ、誰もが自分の影を背負うだけで精一杯だ。
影は追ってこない。
この街角じゃ、誰もが自分の影を背負うだけで精一杯だ。
靴音がリズムを刻む。
一歩ごとに、夜が深くなっていく。
月が俺の背中に、冷たい銀の弾丸を撃ち込んでいた_
一歩ごとに、夜が深くなっていく。
月が俺の背中に、冷たい銀の弾丸を撃ち込んでいた_