蒼いプレリュード

日記

埠頭を濡らす雨は
細かなダイアモンドを撒いたように
ミッドナイト・ブルーの海へ溶けていく
波止場に並ぶ倉庫の影は
まるで静まり返った劇場のようだ
カシミアのコートに身を包み
世界が寝静まるのを待つ
ここには怒りも、乾いた火花もない
あるのは、雨音が刻む一定のリズムと
遠くの灯台が繰り返す、無言の合図だけだ
時計の針が重なる瞬間に
ポケットから取り出したのは、一枚の古いコイン
かつての約束か、あるいは未来へのパスポートか
指先で弄ぶその冷たさが
心地よい現実感を俺に与えてくれる
重い扉が開く音も、叫び声も聞こえない
ただ、潮風がコートの裾を揺らし
濡れたレンガの道が、銀色に光り輝くだけだ
夜の終わりを見届けるために
俺は琥珀色の吐息をつき、歩みを止めない
完璧な静寂の中にこそ
真実の答えが落ちていることを、知っているからだ_


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