眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

過去 の話_消えない光

その他

母は、二つの過酷な敵と戦い抜きました。
ひとつは体を蝕む病、もうひとつは記憶を奪い去る病です。
記憶が薄れ、言葉が消えていく日々の中で、母は私たちが知っていた「かつての姿」を少しずつ手放していきました。
けれど、最後まで奪われなかったものがあります。
それは、生きて、ここに在り続けようとした、母の魂の気高さです。
今、私たちの心は濁り、やり場のない悲しみに満ちています。
「悲しみは、消そうとするほど濁る。抱えたまま、冷たいコーヒーを飲み干せ。」
母を苦しめた病を恨んでも、失われた時間を嘆いても、現実は変わりません。
この冷え切った悲しみを無理に浄化しようとするのは、母が命を懸けて教えてくれた「生きる」という重みを、軽く見積もることになります。
だから、私たちはこの苦さを抱えたまま、生きていきます。
母が忘れてしまった記憶は、これからは私たちが、母の代わりにこの世界で刻み続けます。
母が戦い抜いた証は、私たちの血の中に、タフな精神として受け継がれています。
母さん、お疲れ様。
これからは、何の痛みも、何の曇りもない場所で、ゆっくりと休んでくれ。
私は、あんたの子供だ。
どんなに苦いコーヒーも飲み干して、明日を歩いていく。
心配はいらない。


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