過去のモンパルナス

日記

石畳の湿り気は、誰かが流した涙の跡か
街灯のオレンジが、安っぽい琥珀のように路地を焼く
カフェ・ド・ラ・マリーのテラスには
吸い殻と、答えの出ない後悔だけが取り残されていた
セーヌから吹き上がる風は、コートの襟を立てさせる
かつてモディリアーニが愛を語り、藤田が夜を徹したこの街も
今はただ、重たい沈黙を吐き出す巨大な肺だ
俺の指先に残る、紫煙の残り香
「過去を振り返るな」と、ヴァヴァン通りの影が囁く
だが、ポケットの中の錆びた鍵は
まだどこかの扉が開くのを待っている
暗がりに潜む、名前も持たない孤独たち
ジャズの旋律が、夜の裂け目から血のように漏れ出していた
真夜中のモンパルナス
ここでは、光よりも闇の方がずっと、正直でいられる_


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