似非人へ_

日記

街の灯が冷たく揺れる深夜、
バーボンの氷が溶ける音だけが響く。
そこにあるのは、積み上げられた言葉の城。
「仕方がなかった」「誰も分かってくれない」
精巧に組み立てられた屁理屈は、
しかし、吹き抜ける夜風を遮ることさえできない。
甘えという名の毒に浸り、
自分を被害者に仕立て上げるのは容易なことだ。
だが、その盾の裏側にあるのは、
ただの震える臆病な心に過ぎない。
言い訳を噛み締めても、腹は膨れず、
心に空いた穴が埋まることもない。
責任を誰かに預けるのは、歩くことを放棄した証だ。
傷つくことを恐れて動かない者に、
明日の光が差し込むことはない。
他者の視線を求めるのをやめ、
ただ沈黙の中で、己の足で大地を踏みしめるがいい。
言葉の弾丸で誰かを狙う前に、
その引き金の重さを知る必要がある。
虚勢という名の弾薬を使い果たした時、
残るのは裸の自分だけだ。
その時初めて、人は自分自身の人生と向き合う。
夜は甘えを許すほど長くはない。
この場所で生き残るために必要なのは、
磨かれた屁理屈ではなく、折れない意志だ。
タフな魂だけが、この冷淡な街で呼吸を許される。
――夜が明ける。
言い訳を脱ぎ捨て、その足で歩き出すがいい。


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