眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

霧の停車場

日記

煙るプラットホームに、境界線など存在しなかった。
錆びた鉄路の匂いと、湿った空気。
追い越していくのは、行き先のない冷たい風だけ。
改札を抜ける風の音が、
遠い日の記憶のささやきに似ているのは、
すべてを包み込むこの霧のせいだろうか。
ずぶ濡れのトレンチコートが肩に重い。
胸の奥にしまい込んだままの言葉のほうが、
今の足取りをよほど重くさせている。
遠くで、ディーゼルの唸りが聞こえる。
光を切り裂き、闇を連れてくる鉄の塊。
それに乗れば、すべてを忘れられると誰かが言った。
だが、霧が晴れたあとに残るのは、
結局、孤独な影だけであることを知っている。
ベルが鳴る。
出発の合図か、それとも過去への決別か。
最後の一服を、水たまりに捨てた。
ジッと音を立てて、小さな火が消える。
……それでいい。
この街に、あたたかな光は似合わない。


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