眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

霧の停車場4

日記

不意に、遠くで踏切の警報機が鳴り止んだ。
訪れるのは、耳が痛くなるほどの静寂。
俺は、燃え尽きる前に消えた煙草をホームに捨て、靴の先で踏み潰した。
火種は一瞬で泥にまみれ、無意味な黒い染みへと変わる。
行き先など、どこでも良かった。
ただ、この場所ではないどこかへ。
だが、結局のところ、俺が背負ってきた空っぽの鞄が、どこへ行こうと俺を繋ぎ止める。
雨脚が強まり、霧はさらに深く、視界を塗り潰していく。
自分の指先さえ曖昧になるこの白んだ世界で、
俺という存在もまた、ただの湿った影に過ぎない。
「……終わりだな」
誰に宛てたわけでもない言葉が、雨音に溶けて消える。
感情の枯れ果てた胸の奥には、怒りも悲しみも残っていない。
ただ、冷たい雨水が襟元から伝い落ち、
体温を奪っていく感覚だけが、唯一の生の実感だった。
俺は歩き出す。
線路の先にあるはずの未来も、背後に捨ててきた過去も、
すべてはこの深い霧の底に沈めて。
夜はまだ、明ける気配を見せなかった。


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