眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

濁ったプリズム

日記

アスファルトを叩いた夕立が
埃の匂いと一緒に 街を洗い流したはずだった
だが 濡れた路面から立ち昇る蒸気は
陽光を浴びて 卑屈なほど美しく揺れる
春陽炎――
雨が残した 最後の悪あがきだ
水溜りに映る ネオンの破片
歪んだ極彩色のなかで
俺の輪郭さえも 頼りなく解(ほど)けていく
「湿っぽいのは 性に合わない」
濡れたハットを指で弾き
蒸れはじめた空気のなか マッチを擦る
火影さえも 揺れる光のなかで滲む
真実なんてものは いつも雨上がりの湿気た風に
巻かれて消えるのが おあつらえ向きだ
俺は 陽炎の向こう側を睨みつけ
乾ききらない靴音を ひとつずつ刻んでいく_


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