レミン

さよならの時

人生

葬儀の2日前に「湯灌」と言う儀式をしてもらった。

お風呂に入れて身体のお清め儀式なのですが、

これ、父の時にしていただいて、とっても感動的だったので今回も依頼

湯船に横たわり担当の女性が身体を洗い(もちろん、参列者には見えないように)
男性担当は丁寧にシャンプーしてくれた。
希望者は参加できるので、私は「やっと頭がさっぱり出来るね」と声をかけながら
担当者と一緒に母の髪を丁寧にシャンプーした。

「かゆい所はございませんか?」生きて居るような母に声をかけると、
担当者が「ウンウン・・」と優しく微笑んでくれた。
それから、タオルドライにドライヤー
とっても丁寧に、丁寧に・・

最近は、着せたいものを持参すると、きちんと着付けしてくれるんですね。
着物を持って行きました。

私が子供の頃から、母にいつも「お母さんが死んだら、この着物を絶対に着せてね」と言っていたもので、母が嫁いで来た時に持って着た着物です。縞柄の
大正時代色の普段着ですが、紫を基調にしたもので、当時
大貧困の中で、これが絶対に欲しい・・と、ねだって母親に買ってもらったとか。

鬼も逃げ出すような乱暴な母の父親。私から見たお祖母ちゃんは殴られたり
蹴られたりしても絶対に、このお金だけは渡さない・・と、命がけで守って
貯めた・・そのお金で着物を買った。
そして私の母の嫁ぐ日、その着物をくれたそうです。

だから、おバカな私も頭にインプットされていました。(良かった)

着付けの為に帯や足袋も・・と言われていたが、はて?はて?足袋?
今時・・足袋か~!と、あちこち探し回ったが、ないよ~~
あらま・・どうしよう・・と、ガックリして
タンスの前に座り込んだ時、上から何かが落ちて来た。タンスの上?
なに?と見たら「足袋」だった。母が、「ここにあるでしょ」と、渡してくれた?

その着物を着せてもらいました。
袖を通すのは初めてだね、お母ちゃん。
他の着物は、嫁いでから小姑達に奪われ、メチャクチャにされても
これだけは死守したんだよね!

母は、亡くなる少し前から、睫毛がグングン伸び、そして
顔からはシワがどんどん消えて行っていたが・・
改めて、お風呂上がりの顔をみて驚いた。若返ってる?若い!
担当者が、「お化粧します」と言った時も、驚いていた。
年齢100才。

70代そこそこにしか見えない・・いや、もっと若い?
すべすべで、シワ一本ない顔に、ファンデーションがス~っと伸びて行く。
若い時、持参した・・その着物がピッタリと似合っていた。
これからお嫁に行くみたいに綺麗

元々、超・美人で評判の母
思わず葬儀の担当者が、「おきれいな方ですね・・こんなにお綺麗な・・
見た事ありません」

担当者達が私達の為に、部屋を出て行ってから
お母さん、お母さん・・とたくさん話しかけた。手を取って頬に当てたり
頭、いい子いい子して~と勝手に私の頭を撫でさせた(なに、してるの?バカね~笑われちゃうよ)と、母は呆れていたと思う(笑)

母にとっての甥ッ子達が、
「伯母さん、なんでこんなに若いの?」と、不思議がっていた。

臨終の時にいた介護士さんも言っていましたが、人は逝去すると
口が開いてしまうそうですが、母はキリッと結んだままでした。すごいですね!
見事に醜態は見せない方・・と、驚いていましたが、本当に
隙のない美しさを見せてくれていた。

嫉妬するほど美しい。

母の姉102才が、大泣きしていた。
仲が良すぎる程、仲良しの長女と次女の2人

互いに「私が先に死ぬ。だってそっちが死ぬのなんて絶対に見たくないから」と
言っていた2人。

「そんな所にいつまで寝てるんだよ、早く起きて・・朝だよ。ねえちゃんと
 旅行いこうよ。散歩に行こうよ。やだよ・・早く起きてくれってば」と

それを見ているのが辛かった。


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