緊迫の夜4
西の空が血の色に焼けている。
それを「美しい」と感じてしまう感性が、
この生き物の、救いようのない罪だ。
それを「美しい」と感じてしまう感性が、
この生き物の、救いようのない罪だ。
誰かの犠牲の上に灯る明かりで、
俺たちは温かい食事を摂り、愛を語る。
その電気も、その熱も、
遠い地の誰かが流した涙と同じ色をしている。
俺たちは温かい食事を摂り、愛を語る。
その電気も、その熱も、
遠い地の誰かが流した涙と同じ色をしている。
プライドを捨てたわけじゃない。
ただ、生き延びるという本能が、
高潔な魂を、一歩ずつ泥の底へと引きずり込んでいく。
ただ、生き延びるという本能が、
高潔な魂を、一歩ずつ泥の底へと引きずり込んでいく。
「人間は、もっと賢くなれるはずだった」
水平線に消えゆく残照に向かって、
誰にも届かない独り言をこぼす。
水平線に消えゆく残照に向かって、
誰にも届かない独り言をこぼす。
夜が来れば、すべては見えなくなる。
犯した過ちも、飲み込んだ屈辱も、
この手にこびりついた、黒い原油の匂いも。
犯した過ちも、飲み込んだ屈辱も、
この手にこびりついた、黒い原油の匂いも。
だが、瞼(まぶた)の裏には、
焼き付いた光が、いつまでも消えずに残っている。
焼き付いた光が、いつまでも消えずに残っている。
(静寂の中、最後の一条の光が海に沈む)_