眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

五月のバラ

日記

安物のバーボンと、眠らない都会の気だるさ。
テーブルの隅、濡れたコースターの上に
捨てられた、五月のバラ。
夜明け前のヴェネツィアン・ブラインド、
紫煙の匂いと、彼女の残したパフュームが混ざる。
「忘れないで」
その言葉は、まるで真夜中に撃ち込まれた弾丸のように、
静寂を破り、心臓の奥に刺さったまま抜けない。
愛なんて、薄汚れた街の片隅に咲く、
トゲだらけの幻影に過ぎない。
それでも、その赤い色は、
あの殺風景な夜の終わりに、あまりに鮮やかすぎた。
さよなら、五月のバラ。
足跡ひとつ残らぬ通りへと、靴音が消えていく。
朝焼けが、古い街並みを白く染め上げ、
未練を焼き尽くす煙草の火だけが、一瞬の熱を帯びていた。


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