眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

月下の紅

日記

太陽が身を隠し、街が冷たい銀に染まる頃、
庭の片隅で、奴は真の姿を現す。
月明かりに暴かれた、毒々しいまでの赤。
「五月のバラ」なんて浮かれた呼び名は、もう似合わない。
闇に紛れても隠しきれない、狂おしいほどの色彩。
それは、平穏な日常という仮面の下で、
決して冷めることのない「熱」の在り処。
触れようとすれば、鋭い棘が容赦なく指先を裂く。
「綺麗だなんて、軽々しく口にするな」
風に揺れる花弁が、そう嘲笑っているようだった。
奴は知っているのだ。
真実の愛も、消えない傷跡も、
夜の底でしか、その本当の輝きを放たないことを。
一服の煙草をくゆらせ、月光のステージを見守る。
明日の朝には、また「従順な庭の花」に戻るのだろう。
だが、私とこいつだけの秘密だ。
この闇の中で、誰よりも熱く、孤独に燃え盛っていることを。______


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