眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

_陽炎の街

日記

アスファルトが吐き出す熱気が
視界を歪ませる
追憶も 嘘も すべては陽炎の向こう側だ
使い古したトレンチコートは
この季節には少しばかり重すぎる
だが 脱ぎ捨てるには
私の背中は冷え切っていた
グラスの中で溶けゆく氷が
誰かの涙のように音を立てる
「陽炎の候――」
酒場の隅で呟いた言葉は
煙草の煙に巻かれて消えた
揺らめく街の輪郭に
かつての相棒の背中を探す
真実はいつも
届きそうで届かない 蜃気楼の中にある
乾いた喉に流し込むバーボン
火傷のような熱さが
生きている実感(しるし)を刻みつける
陽炎が消える頃
私もまた この街の影に紛れるだろう
答など最初から
期待してはいない_


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