_陽炎の街
アスファルトが吐き出す熱気が
視界を歪ませる
追憶も 嘘も すべては陽炎の向こう側だ
視界を歪ませる
追憶も 嘘も すべては陽炎の向こう側だ
使い古したトレンチコートは
この季節には少しばかり重すぎる
だが 脱ぎ捨てるには
私の背中は冷え切っていた
この季節には少しばかり重すぎる
だが 脱ぎ捨てるには
私の背中は冷え切っていた
グラスの中で溶けゆく氷が
誰かの涙のように音を立てる
「陽炎の候――」
酒場の隅で呟いた言葉は
煙草の煙に巻かれて消えた
誰かの涙のように音を立てる
「陽炎の候――」
酒場の隅で呟いた言葉は
煙草の煙に巻かれて消えた
揺らめく街の輪郭に
かつての相棒の背中を探す
真実はいつも
届きそうで届かない 蜃気楼の中にある
かつての相棒の背中を探す
真実はいつも
届きそうで届かない 蜃気楼の中にある
乾いた喉に流し込むバーボン
火傷のような熱さが
生きている実感(しるし)を刻みつける
火傷のような熱さが
生きている実感(しるし)を刻みつける
陽炎が消える頃
私もまた この街の影に紛れるだろう
答など最初から
期待してはいない_
私もまた この街の影に紛れるだろう
答など最初から
期待してはいない_