追憶、墜落不能
別れたことに意味を持たせるなら、
俺は今頃、くたびれた背広を着て、
平穏な絶望の中に足を埋めていなきゃならない。
だが、どうだ。
俺の足は今も、浮いたままだ。
俺は今頃、くたびれた背広を着て、
平穏な絶望の中に足を埋めていなきゃならない。
だが、どうだ。
俺の足は今も、浮いたままだ。
お前が必死に俺を地上へ引き戻そうとした、あの「喫茶ウミノ」の午後。
俺が夢を捨てなかったから、俺たちは他人になった。
お前を失ってまで守り抜いたこの翼を、
今さら畳んで歩くなんて、それこそお前に顔向けができない。
俺が夢を捨てなかったから、俺たちは他人になった。
お前を失ってまで守り抜いたこの翼を、
今さら畳んで歩くなんて、それこそお前に顔向けができない。
「別れた意味がないじゃないか」
お前がいなくなり、十六番館が消え、街の景色が書き換えられても、
俺だけが、あの日の危うい高さのまま、この街を漂っている。
俺だけが、あの日の危うい高さのまま、この街を漂っている。
地に足をつけて生きる幸せを、お前は俺に教えようとした。
けれど俺は、お前を泣かせてまで手に入れた「空」を、
今も手放せずにいるんだ。
それがどんなに寒く、孤独な場所だとしても。
けれど俺は、お前を泣かせてまで手に入れた「空」を、
今も手放せずにいるんだ。
それがどんなに寒く、孤独な場所だとしても。
お前がいない世界で、俺がまともな人間になっちまったら、
あの日の二人の決別は、ただの茶番劇に成り下がる。
俺は、今日も頑なに生きる
あの日の二人の決別は、ただの茶番劇に成り下がる。
俺は、今日も頑なに生きる
お前が「やっぱりダメね」と、
天国で溜息をつくのが聞こえるまで。_
天国で溜息をつくのが聞こえるまで。_