眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

五月の月

小説/詩


青い 玻璃(はり)の夜を 風がわたる
樹々の梢(こずえ)が さざめいて
見えない指さきが そつと
空の頁(ぺえじ)を めくつてゆく
窓をあけて 待つてゐたのだ
おまへのやうな しづかな光が
庭の隅の ヒアシンスの影を
やはらかく なぞるのを
ああ 五月の月を ゼリーにして
銀のさじで すくへたなら!
口のなかで 淡く とけて
甘い しらべになるだらうに
おまへは そこにゐるのだらうか
僕の知らない 遠い物語の
たれも読まない 序曲のやうに
ただ しろじろと 輝いて




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