眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

聖母の沈黙

日記

シテ島の心臓は、夜の闇に縫い止められている。
見上げるノートルダム、その双塔は
天を指さしているのではない。
逃げ場のない罪人を、冷徹に監視しているのだ。
セーヌの川面は、墨汁を流したように黒い。
そこに映るステンドグラスの残光は、
かつて流された誰かの血よりも、なお、禍々しく赤い。
再建の槌音は止み、代わりに風が哭いている。
ガーゴイルどもが、暗がりのなかで嘲笑う。
「お前の祈りなど、あの崩れ落ちた尖塔とともに、
とうの昔に灰になった」と。
祈りを忘れたロザリオを、ポケットの奥にねじ込み、
俺は安物のライターを弾く。
揺れる炎が、石壁に刻まれた数世紀の孤独を炙り出す。
神がこの街を統治しているなど、ただの幻想だ。
今夜、この場所を支配しているのは、
冷たい石の沈黙と、消えない火傷の跡だけだ。


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