眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

硝子の喉と夜の残滓

日記

街灯が濡れたアスファルトに、
安酒のような鈍い光をこぼしている。
真夜中のラジオから流れるのは、
祈りよりも重く、呪いよりも甘い、あの女の声だ。
「At Last」――
救いなんて、とっくにドブに捨てたはずだった。
だが、彼女が歌い出した瞬間、
使い古された絶望に、新しい傷口が開く。
エタ。
あんたの喉は、砕かれたダイヤモンドだ。
闇の中で光を放ち、
触れるものすべてを容赦なく切り裂いていく。
バーボンのグラスに沈んだ、
昨日の嘘と、明日への臆病。
彼女のシャウトが、それを一気に飲み干せと急かす。
「愛なんて、勝者が書いたフィクションに過ぎない」
そう呟きながら、俺は煙草に火をつけた。
人生は、完璧なリズムを刻みはしない。
いつだって少しだけ遅れ、
あるいは、狂おしいほど急(せ)き立てる。
泥をすすり、宝石を吐き出す。
それが、この街で生き残るための唯一の「ブルース」だ。
夜が明ける前に、もう一度だけ聴かせてくれ。
優しさなんて、欠片もいらない。
ただ、胸の奥に広がる渇きを、
その震える咆哮で、極限まで満たしてくれればいい。


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