渇いた檻
5月だというのに、風は砂を孕んでいた。
アスファルトは焼きついて、
歩くたびに、靴底が悲鳴をあげる。
ここには、潤いなど最初から存在しない。
アスファルトは焼きついて、
歩くたびに、靴底が悲鳴をあげる。
ここには、潤いなど最初から存在しない。
太陽は天の真ん中で、
逃げ場を失った俺を冷酷に見下ろしている。
世界全体が、巨大な砂漠のようだ。
通りを行き交う群衆の影さえも、
熱波に焼かれて、ただの蜃気楼に化ける。
逃げ場を失った俺を冷酷に見下ろしている。
世界全体が、巨大な砂漠のようだ。
通りを行き交う群衆の影さえも、
熱波に焼かれて、ただの蜃気楼に化ける。
喉を焼くのは、一杯の安いバーボン。
だが、どれだけ煽っても渇きは癒えない。
この街の誰もが、自分だけの砂丘に篭り、
互いの声すら届かない場所で、干からびていく。
だが、どれだけ煽っても渇きは癒えない。
この街の誰もが、自分だけの砂丘に篭り、
互いの声すら届かない場所で、干からびていく。
孤独とは、水のない井戸の底だ。
叫んでも、響くのは乾いた壁の反響だけ。
5月の早すぎる熱砂に埋もれながら、
俺は、自分が生きていた証拠さえ、
風に掻き消されていくのを感じていた。
叫んでも、響くのは乾いた壁の反響だけ。
5月の早すぎる熱砂に埋もれながら、
俺は、自分が生きていた証拠さえ、
風に掻き消されていくのを感じていた。